キノコ

キノコとは英語でmushroomですが、これには「急激に増える」という意味があります。見た目も生体も謎が多い、奇妙な生物です。  キノコはカビの一種なので、もともとは一ミクロンほどしかない小さな「胞子」です。この胞子を作る子実体が肉眼で見られる大きさのものをキノコと呼びます。胞子が風に飛んでいった先で異なる二種類の核が融合し、新しい菌糸が伸びてキノコとなります、遺伝子核の種類は雌雄の二種類ではないため、その交配の組み合わせは何万通りにも及びます。  私たちが普段見慣れている「シイタケ」や「エリンギ」「シメジ」や「エノキ」だけではありません。キノコのもとになる菌類は一〇〇万から一五〇万種あると言われていますが、明らかになっているのはその五パーセント以下です。圧倒的に多様で、毒を持つものすらあり、想像を絶する奇々怪々な形に進化したキノコの世界は、まだまだ未知の世界なのです。  まず彼らキノコが誕生したのは日本列島が形成されるよりも前、およそ六〇〇〇万年前とされています。まだ地球は白亜紀。恐竜が絶滅するほどの気候変動に見舞われていましたが、このときキノコと共生していた樹木が生き残ったとされています。  キノコには外生菌根といって樹木の根に菌糸を巻きつけ、寒さで根が腐るのを防ぐ性質があります。また匂いや色で昆虫を呼び寄せるので、これも植物との共生に役立っています。さらにキノコは、樹木から光合成で得る炭水化物をもらっていますが、落ち葉や虫の死骸を分解するときに発生する窒素やリンを、水分とともに樹木へ供給するという大切な役割も担っています。まさにキノコが森をつくり、緑の地球をつくってきたのです。

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